チームみらいが示す新しい政治の視点
「誰が、何を」より「仕組みをどうするか」
彼らの注目すべき点は、単に政策(ポリシー)を掲げるのではなく、仕組み(システム)そのものを見直そうとしているところにある。
チームみらい率いる安野さんには、投票こそできなかったものの、2024の
都知事選の出馬から注目している。
従来政治の限界:「誰が」「何を」
これまでの政治は、「誰がリーダーか」「どんなマニフェストを出すか」という文脈で語られてきた。
もちろん、それ自体が間違いではない。
政治は人が動かすものであり、理念や方針を示すことは不可欠だ。
だが、そもそもその政策を動かす仕組み自体が壊れていたら?
どれだけ優秀な人がいても、どんな立派な政策を掲げても、現実はなかなか動かない。
まるで、壊れた歯車にどんな新しい部品を入れても、結局噛み合わないように。
理念さえ正しければ、壊れた船でも目的地に辿り着くことができるかもしれない。
リーダが変われば、大きく変わることはもちろんある。
しかし、仕組みや構造というのは、それ以上に大きな力を持っていて、地球の重力のように、あらゆるものに作用している。
仕組みを見直す政治
チームみらいが面白いのは、「人」や「政策」を超えて、システムそのものに焦点を当てている点だ。
たとえば行政の透明化、意思決定プロセスの共有、テクノロジーを使った参加型ガバナンス――。
こうした「仕組みの設計」を先に考えることで、政治が個人の力量に依存しない状態を目指している。
これまでの政治が「船長」「目的地」を選ぶことに集中していたとすれば、
彼らは船そのものから見直しているようなものだ。
話は少し脱線するが、安野氏、議員定数の比例削減に反対
というニュースの見出しを見た時に、少し意外な印象をうけた。
それは、チームみらいがテクノロジーの力で無駄を減らすという理念とギャップを感じたからである。
実際には、定数を削減すると、小さな政党はあふれてしまうということなので、これもまた仕組みとして、定数削減が正しいとは言い切れないからである。
政治家の歳費に関しても同様のことが言えるだろう。
歳費を削れば日本が豊かになるかというとそうはならず、お金集めがうまい人が有利になるという意味で、金額だけでの正解はないのが実際である。