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日: 2013年7月9日

2052年

ヨルゲン・ランダースの2052を読んで、40年後の世界を考えてみる。
まず本書に書かれているのは、世界は気候変動の影響を受け、
・人口が頭打ちに
・都市集中
・飢えはしないものの生活の質が低下する
・お金や物質的な豊かさに頼らない幸福を求める必要がある
・脱成長の考え方が必要
・これまでのように生産性は向上しなくなる
・民主主義、資本主義的な構造は環境対策を遅らせる事になる
というような事が書かれている。


続いて私の予想。
以前の記事に、世界人口は21世紀後半には100億人としている。
本書では、2040年 前後に80億に達しそこから減少にとある。
都市化が進むと少子化が進む。
いままで都市化と少子化はあまり結びつけて考えた事がなかったが、
広範囲で考えると、そういう事なんだなと思う。
世界各地でが都市化が進めば、急速に少子化が進むだろう。
しかし、人口はそこで減少に転じるかというと、私はそうは思わない。
人類は宇宙を目指し、太陽系における人類の人口はさらに拡大すると思っている。
とはいうものの2040年前後の人口は80億人、都市化の影響で人口の増加速度はだいぶ下がるが、21世紀末には、90億人という事で予想を修正しておこう。
生活の質が低下するというのは、資源へのアクセスが悪くなるので、
今まで食べれていたものが食べれなくなったり、その他の資源に不自由する可能性があるという事だが、
その中で幸福に暮らすには、発想の転換が必要になりそうだ。

 

脱成長

地球のキャパシティとは何かというと、
宇宙船地球号につまれた食料は毎日5人分だとする。
5人で分ければよいが、一人が5つ食べてしまうと、残りの4人は飢えてしまう。
あるいはそこにもう一人加わったらどうだろうか?
なにか工夫をしてもっと食料を増やせればよいが、資源は限られている。
地球を大きくする事はできないが、人間一人あたりの環境負荷(フットプリント)を減らせばもっと多く住めるし、石油の枯渇問題も、代替エネルギーや別の資源を使う事で対応してきた。

とはいうものの、ゆっくりとした需要の増加であればある程度工夫などでカバーできるが、
急速な進化にテクノロジーはついて行けない。
イナゴの大群のように、増えすぎた群れは供給の限界によって調整されることになる。
これまでのように生産性は向上しなくなる

というのは、サービス業は機械化が難しい事がその理由となっているので、
個人的にはサービス業も含めてまだまだ生産性が向上する余地はあるのではないかと思っている。
環境問題が、民主主義や、資本主義に影を落とすというのは、これもひとつ重要なキーワードだと思う。
民主主義が環境問題にとってやっかいなのは、未来に予測される問題に対し民衆全体に同意を求めるのは、なかなか難しい。

例えば、中国が一人っ子政策ができたのは、民主主義ではないという要因が大きい。
じゃあ中国や、ソビエトのような社会主義がよいかというとそうでもない。
しかし、実感をあまり伴わず、予測される未来の問題、しかも迅速な判断が求められる
問題に関して、民主的なプロセスは不向きと言えるだろう。

本書を読んで改めて思ったのは
気候変動が世界に及ぼす影響を考える事、
オーバーシュートを見越して、いまのうちにやっておいたほうがよい事をやっておくという事。
40年後というのはだいぶ先の事かと思うかもしれないが、40年後というのは既に始まっていて、
その積み重ねが40年後の変化をもたらす。
40年前の今、当時の40年後が今をもたらしているように。