はじめにひとつ言いたいのはこういう事件を「あり得ない事」と言ってしまうことについてである。
責任が回ってきた者が責任逃れでそう言うのは当然といえば当然なのかもしれないが、
一般の第3者がそういう感想を述べる事には違和感を感じる。
そんな危険を認知できない人が危険を見逃して来て、ひとたび危険だとわかっても、
時が経てばまたその人にしてみたら「ありえない事」になっちゃうのだろうと思うのだ。
普通に使っていて危険を感じる事はないが、事故がおきると、その危険性に気づかされる。
気がつかなければ、また事故は繰り返されるだろうし、
気がついても対策を行動に移さなくては気がつかないのと同じだ。
自分にとってエレベーターは身近な存在である。
会社でも、自宅でもエレベーターはある。
買い物に行ったお店でエレベーターを使うこともある。
事故とあれば気になるのがメーカーである。
シンドラーエレベータというメーカーだそうである。
自宅のエレベーターは国内メーカーなのでちょっと安心。
だからといって国内のエレベーターが安全かというと、
そうではなく世間的に危険と認知されている度合いが低い
だけで、危険が無いわけではない。
すべての機械がそうであるように完全な機械は存在せず、
事故というのもある程度の確立で起こりえる。
今回その事故を事前に防げなかった原因はどうも、
管理業者にあるのではないかという事が指摘されている。
おそらくそうなのだろう。
勿論それを委託する側にも問題があったのではないかという事も
言われており、それもあるのかもしれない。
話は少し脱線するがエレベーターよりもっと危険な機械が世の中にはあって
それが自動車だと思う。
他にも身近な危険はいっぱいあって、それらを一度にどうにか
することはできないのだろうけど、それでも危険は危険だ。
安全策を社会に求めるのは勿論だが、自分にもできる限り危険を回避する可能性が必要だ。
とりあえず危険と認識できるものを避けるだけでも、いくらかリスクは減るだろう。
1)まず必要なのは、何を危険と認知するかだと思う
2)次にその危険そのものを減らさなければならない
危険を危険と認識できる期間は案外短い、事件も少したてばしだいに忘れてしまうし、
例え事故がいくつかでてきても、ああまたか。と思うだけである。
そこで、はじめにあげた「あり得ない事」と言ってしまう人の話に戻る。
2に進むためには、「あり得ない事」という認識ではなく、まずはあり得ることとして
認識してもらいたい。
(自分も含めて)それが共通の認識となり、改善に動き出した時、それが
危険を減らす力に結びつくのだと思う。