低速エスカレータは、スマホと歩行を助長


最近見かける、エスカレーター歩行禁止のポスター。ロジカルに考えて、安全性の面で考えたら、スマホ見ながら手すりにつかまらずに止まっているほうが危険なのに、 なぜそっちはスルーで、歩行禁止を声高に訴えるのか?

結論から言えば、歩行禁止は安全対策じゃなくて、マナー向上を前提にすると、それに一定数の人が同調しやすいネタだったからである。

「ハンドレールつかまらずにスマホ」と「エスカレーターを歩いて上がる」試しにAIに聞いてみよう。

AI(Chat GPT)の回答
ハンドレールにつかまらずにスマホを見ながら止まって乗る場合:
バランスを失うリスクがあります。特にエスカレーターが急に停止した場合など、ハンドレールにつかまっていないと転倒する可能性があります。
周りの人々との衝突のリスクもあります。スマホに夢中になりすぎて周囲の状況を把握できないと、他の乗客とのトラブルが起きることがあるでしょう。

エスカレーターを歩いて上がる場合:
エスカレーターのステップは通常の階段とは異なるため、歩く際に足をつまずかせるリスクがあります。
他の乗客が止まっている場合、追い越しや急な動きが他の人々に影響を及ぼす可能性があります。

どちらの行動も一定のリスクを伴いますが、ハンドレールにつかまらずにスマホを見ながら止まって乗る方が、自分自身のバランスを失うリスクや他の乗客との衝突リスクが高いため、全体的にはやや危険度が高いと言えるでしょう。
エスカレーターを利用する際は、ハンドレールにつかまり、周囲の状況を注意深く観察し、必要に応じて立ち止まるなど、安全に配慮した行動を心がけることが重要です。

まあそういうわけなんだが、おそらくこれを、現在の日本人に説明しても、なかなか理解できないと思う。
これについて、ここで掘り下げるつもりはないので、そのまま話を続けよう。

エスカレータを一括りに「片側空け禁止」とするのは、一昔前に広められた、勘違い正義による危険思想でしかない。
片側が人が歩行しやすいエスカレーターの仕様や、手すりをつかんでなくても動作するのは、そもそも仕様上の欠陥である。
さらに日本のエスカレーターはわざとスピードを落としている事により、歩きやすさを助長している。
もっと言えば、痴漢注意などと大きく書かれたエスカレータも見かけるが、あれもある意味、仕様上や運用上の欠陥だろう。
それを差し置いて、ユーザーに歩くの禁止と言って、その欠陥を埋めさせようとするのは馬鹿げている。

安全面を考慮するなら、横幅の広いエスカレータは、手すりを両手で捕まりやすい一人幅のエスカレータに入れ替えるとともに、上記の不具合に対応するための安全機能を追加すべきである。

コロナが証明した、歩行ブロッカーの欺瞞

コロナ以来、特に、エスカレータでベルト(手すり)を捕まらず乗っている人が実に多い。
コロナ前までは、エスカレーターは、ベルトをしっかり掴まずに乗らないと危険。そう言っていたのになんだったんだろうか?。

片空けが危ない(歩行が危ない)と言っている人は、まずは手すりをしっかり握り締め乗るべきではないのか?

国土技術政策総合研究所プロジェクト研究報告」も記載されているように、「ハンドレールを使ってない状態での事故が多い」とちゃんとでているのに、そっちはスルーしてなぜ歩行禁止(片空け禁止)なのか?

もしコロナ対策云々というなら、接触頻度の高い手すりによるコロナの感染リスクを業者に調査してもらい、問題があるなら、エスカレーターを廃止するべきではないか?

英でエスカレーター事故急増 コロナが絡むその原因|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト

しかし現実は違った。上記の記事のようにコロナで手すりを掴まない人が増え事故が増えているという情報もあるのに、そっちはスルーなのだ。

結局、歩行ブロッカーというのは、横から他人に追い越されたくない、競争本能むき出しの勘違い●●か。
自粛警察やマスク警察同様、正義中毒の勘違いだったって事だったことが証明されたわけである。

もちろん中には、事情があって、片方に寄れない人もいるだろうし、別に事情がある人はそれで問題ない。
しかし、階段の手すりは両サイドにしかないのに、登りは右、下は左などのように通行方向を指定している箇所は多い。
(つまり片足が悪いから逆方向の手すりが欲しい人の考慮を考えるなら、階段も同様という話)
それには言及しないのに、エスカレーターはなんで?

とはいえ、「エスカレーターの正しい乗り方」を見ればわかるように、エスカレーターには危険因子があり、そもそも万人向けの乗り物ではないのである。
一部を除いて車椅子や、ベビーカーの利用が排除されている。そういうバリアフリーではない乗り物である。
加えて、動く歩道や、エスカレーターを歩いている人にも、それなりの事情があったりする。
のろのろのエスカレーターにイラっとする人がいるなら、そのストレスも健康上の危険因子にもつながるわけで、それらを無視して、横並びで乗る方が安全とか言うのはズレている。

話を少し戻そう。
エスカレーターはまず、手すりをつかむ事が推奨されている。コロナ対策で言えば、手袋をして乗り手すりをつかむ、あるいは乗る前と乗った後にすぐ手洗いするか、手のアルコール消毒を行うべきである。
さらに移動中の飛沫感染も考えるなら一段空けるだけじゃ足りないわけで、10段ぐらいあけるほうがリスクは下がるだろう。

参考
東芝:エスカレーターの感染予防対策

片あけが必要なケース
前に高齢者、キャリーバッグを持った人などがいて、降り口付近で立ち往生する事がある。
高齢者に限らずスマホに夢中な人が前にいて折口付近でつまづく可能性もある。
これは本人も片側に寄っていた方が、いざというとき、後続の人が衝突回避しやすいし、後続の人は、何段かあけて乗った方が無難である。

片空けが不要なケース
後続に誰も乗っていない場合は、中央に立とうが、影響はない。
混雑している場合は、片側あけておくのは運送効率上よくない。(しかし、詰めるのはソーシャルディスタンス上よくない。)
非常に長いエスカレーター。(ほとんど歩く人がいない為)
横幅の狭いエスカレーター。(歩くスペースがない為)

片空けが良い場合
空いている場合は、適度に片方に寄っていれば良い。
通りたい人を理由なく通せんぼしたり、前方で煽ってくるのは、迷惑行為でしかない。


鉄道会社のエスカレータでの歩行禁止について

鉄道会社が誤った情報を流布しようと試みているのは初めてではない。 

皆様も、このような掲示を見た事があるかと思います。
「ペースメーカーに害を及ぼすから優先席付近でのスマホ使用禁止」というものだが、 しばらく以前に「携帯電話やWiFiはペースメーカーに影響を及ぼさない」という調査がわざわざ総務省から発表されている。

にもかかわらず、いつまでもそんな差別的(ペースメーカー使用者を優先席に追いやろうという)でカルト的なフェイク情報を発信し続けているバス・鉄道会社は本当に気色悪い。

近年、公共交通での広告掲載が減少していた中、交通各社が、新たに始めたのがこの「歩行禁止」キャンペーンなのだ。
エスカレーターの右もしくは左をあけておくのは、思いやりレーン的な意味合いで、比較的通行量の多い場所においての、世界的な安全ルールとなっている。

エスカレーターのメーカーが、歩きながらの使用は100%安全とは言えない(ゼロリスクではない)という意味で、「歩行する想定で作っていない」と言ったのを持ってきて、 また消費者を、洗脳電波で汚染しようとしている。

たしかにまあ、鉄道会社の所有するエスカレーターなのだから、ローカルルールを決めるのも自由だとは思う。
とはいえ、禁止のアナウンスが利用者に的確に伝わらず、急いでいて、通りたい人と、片側をあけてない人とでトラブルになるのは目に見えているし、既にそのようなケースも出ている。
(優先席付近でのスマホトラブルなどと同様。そんな中途半端なローカルルールを決めたらトラブルを増やすだけだ。)

他にも、経費や労力削減が目的なのに、安全対策と偽り、ゴミ箱を撤去するなんていう事を始めたり、鉄道会社というのはどうして そういう嘘を平気でつくのか。そういうことをするから、信頼性を損ねてそのツケが、スタッフにまわってくるわけである。

片空けによる混雑ができやすいエスカレーターは、
混雑具合によって、自動でアナウンスするようにしたら良いし、運転速度も本来の速度(高速)にするべきである。
鉄道会社が、エスカレータを一括りに「片空け禁止」みたいに呼びかけるから変な事になるのである。

そもそも片側あける意図は
車でいうところの追い越し車線とほぼ同様の意味かと思う。それをいきなり、安全のため追越車線をゆっくり走行しましょうと言い出したら変な事になる。
エスカレーターも追い越し幅がなければ、無理に追い抜かないし、混雑時に無理にあける必要もない。



非常停止

低速エスカレータの危険性

国内でよくみかける、低速のエスカレーターは、安全対策としてわざと速度を落としているのだろう。
しかし、これは逆に歩行する人を助長しているし、時間がかかるので、スマホしながら乗る人も助長している。さらにはスマホをしながら乗る人が多いと、盗撮に気が付きにくくもなる。 日本の低速エスカレータで、盗撮注意の表示をよくみかけるが、その点、意図と結果が矛盾している事例だといえるだろう。(狙ってやってるのかもしれないが。)
もし、エレベーターが急停止して転ぶのは、歩いている人だろうかそれとも、手すりをつかまずにスマホを見ている人だろうか?
安全性を考えるのであれば、低速にするのではなく、安全性の高める機能の追加やシステム改良が必要だと考える。
事なかれ主義で、生産性の低い行動を続けてしまう、そういうのもあって、賃金があがらないという、日本の経済を象徴しているとも言える。

安全対策としての片側開け

比較的最近の事故だが、「上りエスカレーターが下り始め…9人ケガ」 このように、エスカレーターや階段というのは、将棋倒しの危険性が存在する。

将棋倒しを考えると、傾斜のある場所で、密になると被害を拡大させる危険性がある。
そのため、適度な間隔をあけたり、片側にスペースを確保して、いざというときは避けられるほうが良いという事になる。

ほかにも、落下してくるのは人だけでなく、キャリーバックその他手荷物の可能性も少なからずある。
階段も含め、傾斜にある場所ではそのようなリスクがあり得ることを想定し、前後に間隔を設けた方が安全である。

誰のためのルールか

公共のものは「みんなのもの」とは言うもののエスカレーターの利用者は限定されている。
「ベビーカー」「クロックスのようなサンダルを履いている」「動物」「車椅子」などは原則禁止となっている。
エレベーターに関しては最近、健康な人は、エスカレーターか階段を使うことを促すような掲示がされている事を見かける事もある。

単純化するために「急ぎたい人」「楽をしたい人」「階段がしんどい人」
の3つの立場で考えてみる

急ぎたい人は、
・片側をあけて欲しい
エスカレーターの速度を上げて欲しい

楽をしたいだけの人は
・通りたいひとがいるならあけといたほうがいい。
・片側をあけておく必要はない(どっちでもいい)
・片側をあけるのは嫌だ(横を通るひとがいるとぶつかる事もあり得る)
肯定派、否定派、どっちでもいいというのにわかれるだろう。

階段がしんどい人で考えると
・エスカレーターはゆっくりにして欲しい
・乗り降りに時間がかかるので、詰めずにもっと間隔をあけて欲しい。
元気な人は階段を使って欲しい
などと思っている人もいるかと思う。

じゃあ階段は安全なのか?早いのか?というと、全然そんな事はない。
特に雨の日の下り階段はすべりやすく、エスカレータ以上に危険だと思う。

横並びが良いという状況を利用者が都度判断するのは少し難しい

都市部の深い地下鉄には、長い階段や、長いエスカレータがある。
そこで、エスカレーターに一時的に人が集中するが、それでも片側ルールが適用され、行列ができてしまう事がある。
この場合は、片側を無理に開ける必要はなく両方で乗った方が運送効率は良い。

しかしこれは流動的な判断を必要とするもので、アナウンスがないとなかなか難しい。
ベストなのは、混雑具合をエスカレータのセンサーが混雑を判断して、密度の高い乗車を音声などで促すことである。

【公共とはどうあるべきなのか】

理想としては誰もが心地よい状態が望ましいが、心地よい状態というのは人によって様々だ。
そもそも知らない人と狭い空間に居ること自体が多少なりストレスなのであって、他人がストレスを感じないよう、
ある程度の自己の無害化と、他者の不快活動をある程度許容する必要が生じる。
誰もが沈黙し、人畜無害である状態が目指すべき姿というわけではないし、だれもが好き勝手に行動するというのも違う。
人はそれぞれ違う、大きな迷惑をかけずに小さな迷惑は許容する。それが公共の基本的なあるべき姿だと思う。
もちろん、時と場合によっては、大きな迷惑を許容しなければいけない時もあるし、小さな迷惑を看過できない場合もある。

【なにを優先すべきか】

これは人それぞれ異なるだろうが、私の意見として

・安全性
エスカレーターは機械だが、100%安全な機械なんてない。
もっといえば、傾斜のある場所で人が並んで乗る可能性があるエスカレータにいくらかの危険があるのは、設計上の仕様である。
つまり、そもそもエスカレーターは、ゼロリスク指向の人には、おすすめできないモビリティなのである。
さらに、多少の危険というのは、そこで歩くか否かにかかわらず、そもそも存在していて、実際に事故も起きている。

本来、乗り物の多くは、乗降時には停止する、移動中は着席するのが原則である。
しかしエスカレータは動きながらの乗降、立ちながら移動、という運用が行われている。
要は、エスカレーターはそもそも効率重視で安全性を多少犠牲にした乗り物とも言える。
安全性の面で一人1段とするなら、もう少し幅の狭いエスカレーターを2機用意したらいいと思う。

エスカレータをもっと安全性を考慮して考えるなら、ゴンドラのように、乗降時は減速もしくは停止させるべきだし、 乗る人が区切られている仕様にすべきだ。乗降に手間取っている人がいたら手動、自動で容易に停止できるようにすべきだ。

もし手すりにつかまることが、安全上重要だとしたら、両手で手すりを持ったほうがより安全なはず。
急停止するときに危ないというが、歩いてなくても急停止は危ないし、そういう問題だったら、電車やバスでも急停止は危ない。

そういう点からすると、幅の広いエスカレーターは、片手でしか掴まれず、設計上危険ということになるかもしれない。
そもそも高齢者配慮のマナーだったら、3段づつあけるとか、速度を落とすとか、もっと別の配慮が必要だと思う。
酔っ払いが乗って、上から転げ落ちてきたら、片側云々の前に超危ない。安全第一なら全てのエスカレータに人員を配置して、 足元がおぼつかない人は乗せないようにチェックすべきだ。

エスカレーターは歩くの危険、階段は歩いても安全というなら、混雑時は両方あるいたほうが移動効率がよいのだし、 混雑時はエスカレーターを階段モードにできる仕様に変更するのもひとつのアイデアだと思う。

・運搬効率
運搬効率を上げるために、もう少しエスカレーターの速度を上げるべき。

AIエスカレーター

ここでも以前から書いているように、AI導入や、自動アナウンスを導入するのは一つの案である。
混雑している時に右側をあけるのは効率がわるい。その時は、2列での利用を促すのは運送効率の観点では良いだろう。
一方で、混雑していないときに、低速エスカレータを歩くのは、早く移動したいという人間の自然な意志によるものだったり、追い越しレーンとしてのニーズもあるわけで、それを無視して勘違い正義で、社会全体の同意なしに、一部で強制的に社会のルールを変えようとするのは、大袈裟に言えばテロ行為とも言える。

エスカレーターで歩く人をAIが検知、注意呼びかける 名古屋の地下鉄駅で実証実験

今後AIによるアナウンスは、歩きスマホだったり、手すりをつかまらない乗車、サンダル、上着着用、ベビーカー、痴漢など、様々な条件でのアナウンスが追加されていくだろう。
状況を定量化し、それに応じた最適化をはかることは有意義である一方、「どこまでが必要なルールで、どこからは個人の自由とすべきか」それは、今後も公共のありかたを 議論する上で重要な問いである。

AI音声が注意呼びかけ→エスカレーター歩行半減 名古屋で実証実験
ここにも書いてあるが、「輸送効率はアップしていない」という事実が、AI導入によって明らかになっている。
今後も事実を明らかにして、偽りの安全対策ではなく、本質的な安全対策に繋げて欲しいと思う。

埼玉「エスカレーターを歩かない条例」

埼玉といえば、「埼玉県虐待禁止条例が頭おかしい条例」と炎上したのはまだ記憶に新しい。
結局のところ、ルールを作る事が目的化し、そんなチグハグ行政のもとに街のルールが制定されている事を表している。
それに追随しようという名古屋にも同様の事が言える。現状の把握や、ルール制定の成果、責任の所在をはっきりさせないと、今後もそういう所は、でてくるだろう。

事故率の多いケース「手すりをつかまずの転倒」という問題をさしおいて、「コロナが流行っていたからそっちはスルー』というのは本末転倒。
ポスターなんかをみると親子横に並んで乗っているイメージが登場するが、コロナで知らない人と横並びなんていうのは、敬遠されるわけで、 運送効率云々の話は成立しない。(横並びすれば運送効率のよいケースはあるが、実際には乗らないケースが多数であり机上の空論)むしろ逆効果になる。
コロナ対策なら、消毒の徹底はもちろん、エスカレータは止まって乗ると前の人の飛沫を自然と浴びる乗り物なので、ソーシャルディスタンスを考えるなら10段空けとかすべきなのかもしれない。
とはいえ、都心で実際にそれをやるのは、混雑と混乱を助長するだろう。
エスカレーター歩行禁止
エスカレーター 歩くなという条例ができたからといって くれぐれもハンドレールに乗って遊ぶのはやめましょう。

エスカレーター歩行禁止
危ない!埼玉エスカレーター立ち止まり条例施行2カ月…浸透せず 無言の圧力、人を押しのけ駆け上がる人も
https://www.saitama-np.co.jp/news/2021/12/27/09.html
予想通り、条例は無意味だったということで、埼玉はさっさと仕様上の欠陥である横並びできるエスカレーターを廃止するか、条例を廃止すべきである。

埼玉は少し変わった? 全国初エスカレーター立ち止まり条例1年、駅で見られた変化 リバウンドの兆候も
これだけお金をかけて2ヶ月やって効果がないと証明されたものを、1年やっても5年かけても、かわならいと思うのだが、誰も責任とらないのかな。

この条例と新型コロナの流行によって変化した事ががもうひとつある。
以前であれば、安全対策のために片側に乗りましょうという意見を言う人が結構いた。しかし、コロナ以降「安全対策」は単に嘘で、横を抜かれたくない人が「声高に叫んでいただけ」という事が判明してしまったのである。

その結果、この問題の本質は「横幅の広いエスカレーターを導入しているのが悪い」という話であり、安全対策云々は、前述のような人々のロビー活動にすぎなかったというのが、徐々に認知されるようになってきたのである。
物価が上昇する中、そういう実効性が乏しく、生産性を下げるような条例に税金を使い続けるのは、いかがなものかと思うが、まあそこは住民が考えるべきところでしょう。

コロナとエスカレーター

海外では、マスク着用は、大幅に減ったがそれでも日本では多くの人がマスクなしになるまで、
半年以上の歳月を費やした。ネットの情報なら1日で広まるのに、なぜみんな意味がないとわかっていながら、多くの人が自ら率先してやめられなかったのか。

一言で言えば、おかみが一律禁止にしなかったからである。
お上が言ってる、「個人の判断に委ねる」というのは、いい加減、空気読んで外せよ●●が!と言う事なんだろうが、現代の日本人は、●●化が進んでいるのでそれが、なかなかできないのである。
もちろん、日本が初めに陥った、マスクという偽りの成功体験。みんなで苦労すれば、コロナに勝てる。ルールを守らない奴は、攻撃しても良い、むしろ正義なんだ。
というようにマスク警察が蔓延った事も一つの要因なんだろうが、コロナで少しはエビデンスに目を向けるようになったかと思いきや、この有様である。
こうなったら、X(ツイッター)のように、コミュニティノート機能を、あらゆるところにつけていくしかないのかもしれない。

ブロッカーの心理

煽り運転しかり、人間というのは競争本能というのがある。
さらに、自分より早くのぼり終えるのは「ずるい」という感情を持つ人も中にはいるだろう。
電車などでいえば、スローなエスカレーターでは乗り遅れるが、少し歩けば一本前の電車に間に合うなんてことはよくある。

コロナにおいてもこの「ズルい」という感情と「勘違い正義」というのは本来の原因と対策を飛び越え、そういう人々が大声で主張する事により、 ルール化され、この社会に「生きづらさ」をもたらしている。

エスカレーター シミュレーション

(1)1段2人ずつのイメージ(混雑時の乗り方)
(2)一段ずつあけて乗るイメージ(安全性に考慮した乗り方)
(3)運搬効率アップの例[1段に3人&エスカレーターのスピードアップ])
(4)片方をあけ、急ぐ人は歩いた場合のイメージ

(5)片方に乗る事で降車付近で立ち止まってしまった人との衝突を回避のイメージ

「片あけは効率が悪い」の嘘。

まず、片空けが効率悪いといえるのは、混雑時だけであり、ほとんど誰も乗っていない時は、片方をあけようがあけまいが、 効率の比較としては該当しない。

都会で、朝エスカレータを見ていればわかるが、止まって乗っている人が中間に来たぐらいには、歩行側はすでに降りている。
両方歩けば、同じ時間で2倍の人数を運べるという事になる。
単純にいうと、エスカレータが階段で歩くのと同等もしくはそれ以下の速度になっているという事である。

例えば、高速道路の追い越しレーン。追い越しレーンはなくしたほうが安全性は増すかもしれないが、効率はよくならないのと同じである。
確かに誰も片側を通らない(長いエスカレーターなど)のに、片側に乗るために一列に並んで乗るのは無駄である。
混雑していないのに、歩行者ブロックをしようなんてのは、「危ないから、救急車はきてもブロックしよう」なんて呼びかけるようなもんである。

くれぐれも、どこかのサイトで、「片あけは効率が悪い」などという結論ありきで設定されたシミュレーションを見て、それを鵜呑みにしてはいけない。

とにかくまあ私が言いたい事としては
・エスカレーターの速度をあげるべし。(運転速度を遅く設定しているもの)
・公共設備などで、エスカレーターでの歩行は危ないという注意喚起はしてもよいが、  あけないこと(歩行ブロック)を推奨するべきではない。
・メーカーが、エスカレーターでの歩行が本当に危ないといってるなら、歩行を強くアフォードしている今のデザインがおかしい。
 幅を狭めるとか、傾斜移動時には、段差に出っ張りを設けるなど、実質的に上がりにくそうなデザイン。あるいは、一段から数段おきに空段を設けるなどすればよいだろう。
 もし物理的に空段を作るのが難しいなら、既存のステップに乗車禁止のステップをいくつか作り、乗ったらセンサーで停止するとか色々やりようはある。
 自ら危ないと言っていながら、実際の利用状況を把握しながら、その仕様を改善しないでいるのは、ちょっと進めば犯罪である。
・コロナ対策での密問題は別として、混雑時には、詰めて乗るアナウンスを行うほうが運送効率はよいので、その点については  通行量センサーなどを搭載し、混雑状況に応じた自動アナウンスの実装も一つの策だろう。

ついでなので、エスカレータの使用に関しては
・エスカレーターの下りた所で立ち止まる人がいるが後ろが詰まるので大変危険。
・手すりにつかまるのは、安定上重要だが、もたれかかると巻き込まれることがあるので注意。
ということも添えておく。

参考:
歩いてほしくないなら、「歩けないエスカレーター」を作ればいいだけの話

「エスカレーターで歩くな」と無茶言う人の末路

エスカレーター「片側空け」は本当に危険なのか/重要なのは「手すりにつかまる」かどうかだ

運転中、見ず知らずの相手に抜かれてイラッとする理由は?

埼玉県 エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例;立ち止まった状態でエスカレーターを利用しなければならない。

国土技術政策総合研究所プロジェクト研究報告:PDF

エスカレーターで手すりにつかまることは本当に必要なのか?

日本人は「世界一礼儀正しい」が「世界一イジワル」だった...「自分の利益より他人の不幸を優先する度合い」を測る実験で「日本人ダントツ」の衝撃結果がヤバすぎた

岩手大学 エスカレーター内の歩行に関する基礎研究

「踏みまくって地獄に」エスカレーターに大便が点々と JR大宮駅の東西連絡通路で...清掃会社が明かしたその惨状



日本のエスカレーターはなぜ遅いのか

エスカレーターの一般的な速度は、傾斜角度にもよるが、30m/分だそうである。

分速だとよくわからないので、時速でいうと、1.8km/時である。通常の歩行者の速度が時速5km〜6kmと考えると、 エスカレーターに乗って静止していた場合、距離でいうと2〜3倍遅くなってしまうという事になる。

ゼロリスク指向が強い日本では、このエスカレータの遅さが際立っている。
ここまで遅いと歩きたくなるというのは、必然とも言える。

もし家から職場や学校までの距離が3.6kmあってそれを1.8km/hという制限が条例になったらどうだろう?片道2時間である。

ちなみにカメはすごく歩くのが遅いイメージのある動物だが逃げる時の速度は結構早い。
小さなミドリガメはわからないが、youtubeなどで探すとスッポンや少し大きなカメが結構な速度で走るのを見ることができる。

参考 エスカレーターの速度の基準ってあるの?

エスカレーターはどうあるべきか

まずは、エスカレータ自体も完全には安全ではないという、当然の認識がまずは重要かと思う。

続いて、横幅の広いエスカレーターというのは、仕様的に欠陥であると、捉えるべきだと思う。
片側がつかみにくい人からすれば、どっちでも掴まれるのはよいし、どうせ2列にしても、2列で相乗りするのは、 混雑していない限りバランスが悪い。

となれば、新設もしくは、入れ替えするなら、1列幅のエスカレーターを検討するのが良いと思う。
さらに現在は、センサーやAIを搭載したシステムも可能なので、交通量に応じて、速度を早くしたり、案内を充実させてもよいだろう。

また災害の多い日本では、停電時や、節電時に、階段としても安全に機能するエスカレーターが求められる。
エスカレーターは人の歩行を助けるが、一方で弱体化を促す危険性もある。
単にエスカレーターを増やすだけではなく、階段とのバランスも重要だと思う。