結論を先に言うと、エスカレーターの方空けは、状況によっては必要、状況によっては不要、である。

なので、エスカレータを一括りに「方空け禁止」とするのは、ナンセンスである。

方空けが必要なケース
前に高齢者、キャリーバッグを持った人などがいて、降り口付近で立ち止まる事がある。
これは本人も片側に寄っていた方が、いざというとき、後続の人が衝突回避しやすいし、後続の人は、何段かあけて乗った方が無難である。

方空けが不要なケース
後続に誰も乗っていない場合は、中央に立とうが、影響はない。
混雑している場合は、片方あけておくのは運送効率上よくない。
非常に長いエスカレーター。(ほとんど歩く人がいない為)
横幅の狭いエスカレーター。(歩くスペースがない為)

方空けが良い場合
空いている場合は、適度に片方に寄っていれば良い。
通りたい人を理由なく通せんぼしたり、前方で煽ってくるのは、迷惑行為でしかない。


鉄道会社のエスカレータでの歩行禁止について

電車やバスで「ペースメーカーに害を及ぼすから優先席付近でのスマフォ使用禁止」というのがあるが、 しばらく以前に「携帯電話やWiFiはペースメーカーに影響を及ぼさない」という調査が総務省から発表されている。

にもかかわらず、いつまでもそんな差別的(ペースメーカー使用者を優先席に追いやろうという)でカルト的な洗脳電波を発信し続けているバス・鉄道会社は本当に気色悪い。


そんな、鉄道会社が最近、エスカレータでの歩行を禁止するような呼びかけを行っている。
エスカレーターの右もしくは左をあけておくのは、比較的通行量の多い場所では世界的なルールとなっている。

エスカレーターメーカーが、事故やトラブルの言い逃れとして、「歩行する想定に作っていないので」と言ったのを持ってきて、 また消費者を、洗脳電波で汚染しようとしている。

たしかにまあ、鉄道会社のエスカレーターなのだから、ローカルルールを決めるのも自由だとは思うが、
禁止のアナウンスが利用者に的確に伝わらず、急いでいて、通りたい人と、片側をあけてない人とでトラブルになるのは目に見えているし、既にそのようなケースも出ている。
(優先席付近でのスマホトラブルなどと同様。そんな中途半端なローカルルールを決めたらトラブルを増やすだけだ。)

肩空けによる混雑ができやすいエスカレーターは、
このエスカレータは、肩空けによる混雑ができやすいので、
これは肩空けを推奨しないエスカレーターだという根拠を示すとか、
混雑具合によって、自動もしくは人がアナウンスするようにしたら良い。
鉄道会社が、エスカレータを一括りに「方空け禁止」みたいに呼びかけるから変な事になるのである。

そもそも片方あける理由は
車でいうところの追い越し車線とほぼ同様の意味かと思う。それをいきなり、安全のため追越車線をゆっくり走行しましょうと言い出したら変な事になる。
エスカレーターも追い越し幅がなければ、無理に追い抜かないし、混雑時に無理にあける必要もない。

【誰のためのルールか】

公共のものは「みんなのもの」とは言うもののエスカレーターの利用者は限定されている。
「ベビーカー」「クロックスのようなサンダルを履いている」「動物」などは禁止となっている。
エレベーターに関しては最近、健康な人は、エスカレーターか階段を使うことを促すような掲示がされている事を見かける事もある。

単純化するために「急ぎたい人」「楽をしたい人」「階段がしんどい人」
の3つの立場で考えてみる

急ぎたい人は、
・片側をあけて欲しい
エスカレーターの速度を上げて欲しい

楽をしたいだけの人は
・通りたいひとがいるならあけといたほうがいい。
・片側をあけておく必要はない(どっちでもいい)
・片側をあけるのは嫌だ(横を通るひとがいるとぶつかる事もあり得る)
肯定派、否定派、どっちでもいいというのにわかれるだろう。

階段がしんどい人で考えると
・エスカレーターはゆっくりにして欲しい
・乗り降りに時間がかかるので、詰めずにもっと間隔をあけて欲しい。
元気な人は階段を使って欲しい
などと思っている人もいるかと思う。

じゃあ階段は安全なのか?早いのか?というと、全然そんな事はない。
特に雨の日の下り階段はすべりやすく、エスカレータ以上に危険だと思う。

横並びが良いという状況を利用者が都度判断するのは少し難しい

都市部の深い地下鉄には、長い階段や、長いエスカレータがある。
そこで、エスカレーターに一時的に人が集中するが、それでも片側ルールが適用され、行列ができてしまう事がある。
この場合は、片側を無理に開ける必要はなく両方で乗った方が運送効率が良い。

しかしこれは流動的な判断を必要とするもので、アナウンスがないとなかなか難しい。
ベストなのは、混雑具合をエスカレータのセンサーが判断して、混雑時に両側の乗車を促すことである。

【公共とはどうあるべきなのか】

理想としては誰もが心地よい状態が望ましいが、心地よい状態というのは人によって様々だ。
そもそも知らない人と狭い空間に居ること自体が多少なりストレスなのであって、他人がストレスを感じないよう、
ある程度の自己の無害化と、他者の不快活動をある程度許容する必要が生じる。
誰もが沈黙し、人畜無害である状態が目指すべき姿というわけではないし、だれもが好き勝手に行動するというのも違う。
大きな迷惑をかけずに小さな迷惑は許容する。それが公共の基本的なあるべき姿だと思う。
もちろん、時と場合によっては、大きな迷惑を許容しなければいけない時もあるし、小さな迷惑を看過できない場合もある。

【なにを優先すべきか】

これは人それぞれ異なるだろうが、私の意見として

・安全性
エスカレーターは機械であり100%安全な機械なんてない。
多少の危険は、そこで歩くか否かにかかわらず、そもそも存在していて、実際に事故も起こっている。
安全性の面で一人1段とするなら、もう少し幅の狭いエスカレーターを2機用意したらいいと思う。

もし手すりにつかまることが、安全上重要だとしたら、両手で手すりを持ったほうがより安全なはず。
急停止するときに危ないというが、歩いてなくても急停止は危ないし、そういう問題だったら、電車やバスでも急停止は危ない。

そういう点からすると、幅の広いエスカレーターは、片手でしか掴まれず、設計上危険ということになるかもしれない。
そもそも高齢者配慮のマナーだったら、3段づつあけるとか、速度を落とすとか、もっと別の配慮が必要だと思う。
酔っ払いが乗って、上から転げ落ちてきたら、片側云々の前に超危ない。安全第一なら全てのエスカレータに人員を配置して、 足元がおぼつかない人は乗せないようにチェックすべきだ。

・運搬効率
運搬効率を上げるために、もう少しエスカレーターの速度を上げるべき。

エスカレーター シミュレーション

(1)1段2人ずつのイメージ(混雑時の乗り方)
(2)一段ずつあけて乗るイメージ(安全性に考慮した乗り方)
(3)運搬効率アップの例[1段に3人&エスカレーターのスピードアップ])
(4)片方をあけ、急ぐ人は歩いた場合のイメージ

(5)片方に乗る事で降車付近で立ち止まってしまった人との衝突を回避のイメージ

「片あけは効率が悪い」の嘘。

まず、片空けが効率悪いといえるのは、混雑時だけであり、ほとんど誰も乗っていない時は、片方をあけようがあけまいが、 効率の比較としては該当しない。

都会で、朝エスカレータを見ていればわかるが、止まって乗っている人が中間に来たぐらいには、歩行側はすでに降りている。
両方歩けば、同じ時間で2倍の人数を運べるという事になる。
単純にいうと、エスカレータが階段で歩くのと同等もしくはそれ以下の速度になっているという事である。

例えば、高速道路の追い越しレーン。追い越しレーンはなくしたほうが安全性は増すかもしれないが、効率はよくならないのと同じである。
確かに誰も片側を通らない(長いエスカレーターなど)のに、片側に乗るために一列に並んで乗るのは無駄である。
混雑していないのに、歩行者ブロックをしようなんてのは、「危ないから、救急車はきてもブロックしよう」なんていうようなもんである。
くれぐれも、どこかのサイトで、「片あけは効率が悪い」などという結論ありきで設定されたシミュレーションを見て、それを鵜呑みにしてはいけない。

とにかくまあ私が言いたい事としては
・エスカレーターの速度をあげるべし。(運転速度を遅く設定しているもの)
・公共設備などで、エスカレーターでの歩行は危ないという注意喚起はしてもよいが、  あけないこと(歩行ブロック)を推奨するべきではない。
・メーカーが、エスカレーターでの歩行が本当に危ないといってるなら、上り下りを強くアフォードしている今のデザインがおかしい。
 幅を狭めるとか、段差を高くして普通に上がりやすい段差にしないとか、一段から数段おきに空段を設けるなどすればよいだろう。
 もし物理的に空段を作るのが難しいなら、既存のステップに乗車禁止のステップをいくつか作り、乗ったらセンサーで停止するようにするならどうだ。
・混雑時には詰めて乗るようアナウンスを行うほうがよい。
(通行量に応じた自動アナウンスでもよいと思う。)
ついでなので、エスカレータの使用に関しては
・エスカレーターの下りた所で立ち止まる人がいるが後ろが詰まるので大変危険。
・手すりにつかまるのは、安定上重要だが、もたれかかると巻き込まれることがあるので注意。
ということも添えておく。

参考:
交通事故より多い、転倒・転落による死亡事故

エスカレーターの正しい乗り方

歩いてほしくないなら、「歩けないエスカレーター」を作ればいいだけの話

「エスカレーターで歩くな」と無茶言う人の末路

エスカレーターはなぜ遅いのか

エスカレーターの一般的な速度は、傾斜角度にもよるが、30m/分だそうである。

分速だとよくわからないので、時速でいうと、1.8km/時である。通常の歩行者の速度が時速5km〜6kmと考えると、 エスカレーターに乗って静止していた場合、距離でいうと2〜3倍遅くついてしまうという事になる。

まあエスカレーターの仕様から考えられる安全基準などがあり、そのような遅さになっているのだと思うが、 ここまで遅いとまあ歩きたくなるというのは、必然とも言える。

もし家から職場や学校までの距離が3.6kmあってそれを1.8km/hという制限をうけたらどうだろう。片道2時間である。

ちなみにカメはすごく歩くのが遅いイメージのある動物だが逃げる時の速度は結構早い。
小さなミドリガメはわからないが、youtubeなどで探すとスッポンや少し大きなカメが結構な速度で走るのを見ることができる。

参考 エスカレーターの速度の基準ってあるの?